のような場合でも有資格者は継続的に勤務が求められるので、忙しい時期に疲労を蓄積しないよう、短くても良いから休息を頻繁にとれる配慮が必要である。
b.勤務時間(勤務時間と勤務パターンを決める)
生活時間は勤務時間と生理的時間と余暇時間に分けられ、労働とその再生(回復と意欲の充実等)が図られる。このバランスが崩れると生産低下、蓄積疲労、災害発生をきたしやすい。
高齢者に対しては、特に回復に要する時間とそのための環境条件をよくしなければならない。具体的には、できるだけ休息をまとめて、その間の活動を長時間継続しないで、合間に食事や茶の時間を設けることである。
船内労働は、昼夜連続する運航と漁るうによって発生するので交代制となる。交代制の基本は、夜勤を連続しない、安定した勤務パターンを定めることである。
もし、勤務パターンを変更するときは、前の勤務時間帯より遅い時間帯に移す、例えば、0−4当直であった場合には、次には4−8当直に就く等である。そして、パターンの移行の間には休息を長くとることである。出入港や漁るうの連続によってこれが難しかった場合には、少なくとも1週間以内に休息の収支を合わせた方がよい。
c.休息時間(作業と休息の配分の目安をもつ)
少ない人数での作業や漁るう作業では、長時間の繰り返し作業が多い。この場合には、全身及び局所の疲労が強くなり、動作は鈍く、対処能力は低下し、注意力が低下する。その結果、作業ミスが多くなり、異状事態に対処できず、災害にいたることが多くなる。
特に高齢者では疲労が強くなりがちであり回復しがたいため、この問題は重要である。疲労を防ぐ第一の方法は休息をうまくとることである。軽作業や重筋労働の目安をもつ必要がある。具体的には作業時間と小休止、大休止、食事、睡眠の組み合わせを上手に組み合わせる必要がある。
前ページ 目次へ 次ページ
|
|